LOHACOはマナミさん

 アスクルの運営するEC(電子商取引)サイト「LOHACO」も、カスタマーサポート領域に、顧客からの質問に自動応対するチャットbotを導入。24時間365日、問い合わせに対応できる体制を作った。

 もっとも導入当初は、チャットによる問い合わせが一般的ではなく、すぐには利用が進まなかった。そこで、より親しみを持って問い合わせをしてもらうために、「マナミさん」という女性のキャラクターを作った。これが奏功して、チャットbotによる問い合わせ対応の利用者は増加していったという。

 マナミさんが利用者から支持を集めているのは、単に質問の回答結果を得られるからだけではない。ECサイトの利用とは無関係の日常会話にも、臨機応変に応対できることが利用者から受けている。例えば、「AIですか?」と尋ねれば「AIではなくマナミです」と答える。「好きな食べ物は何ですか?」という問いに対しては、「私はフルーツグラノーラが好きです。毎朝ヨーグルトと一緒に食べています」と返答する。

 これらは会話のログから寄せられた質問を分析し、新たに回答を追加することで対応している。また、チャットbotでは想定されていないような、より詳しい回答を求められた場合には、有人対応に切り替わる仕組みも導入した。

 この結果、送料や領収書の発行といったよくある質問ならば、チャットbotによる自動応対で完結。今や全問い合わせの約3分の1にチャットbotが対応しているという。

 また、ライフネット生命保険も今年1月、LINE上に開設した自社アカウントに、チャットbotによる自動応対機能を導入。見積件数が導入前と比較して1.5倍になるなど、早くも成果を上げている。

 チャットbot導入を検討する企業は今後も増えるだろう。導入の決め手となるのは、やはりAIの性能。先行する米国勢に対する日本企業の対抗策が待たれるところだ。

右からローソン、ライフネット生命保険、LOHACOのチャットbotの画面
右からローソン、ライフネット生命保険、LOHACOのチャットbotの画面
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参考になる本
対話型ロボット「チャットボット」が成果 見積件数が1.5倍に(画像)
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『チャットボット AIとロボットの進化が変革する未来』
金城辰一郎著
ソーテック社 1580円
現在、急速に普及が進むチャットbotが今後、Webの世界でどのような変化と新たなビジネスの潮流を生み出すのか、最新の事例も交えて詳しく動向を解説した書。モバイルチャットがアプリを代替する可能性にも言及する。