本家よりも先に商標を登録して本家に対して利用権を売りつけるなど、知的財産権を濫用して金銭を請求するトロールビジネスは、今も目にすることがある。だが今年6月9日に、トロールビジネスへの対抗策の一つとして改正商標法第10条第1項の規定が施行され、商標登録を分割出願する際の要件として親出願の出願手数料を納付することが追加された。今後、商標トロールはどうなるのか。本家は何をすべきなのか。知的財産権に詳しい骨董通り法律事務所 For the Artsの福井健策弁護士に聞いた。

Q1 改正商標法の施行で久々に「ベストライセンス社」の名前が報道されているが?

A1 会社と経営者個人が、「民泊」「君の名は」「自民党」など、自ら使うとは思えない他者の名称を中心に年間1万件以上の商標出願を繰り返しているとして、数年前に話題になった。その後も実は同様の行為を繰り返しており、最近でも「PPAP」「無人タクシー」を出願するなど、その出願数は日本の全出願数の1割を超えるという。

分割出願のテクニックを使い、ベストライセンス社名でつい最近もPPAPの商標登録が出願されている