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落合陽一氏は、自分自身のマーケティング戦略を「ノンマネジメント」と称する。あえて「落合陽一像」の構築を出演するメディアにすべて委ねることで、多様な誤解を生み出すことが「魔法使い」とも称される自身のブランドを作り上げたという。商品パッケージや広告クリエイティブなど、統一的なイメージでブランドを作り上げる企業のマーケティング戦略とは真逆の戦略だ。

筑波大学准教授でメディアアーティストの落合陽一氏

鹿毛康司(以下、鹿毛) 落合さんは「時代の寵児であり魔法使い」と呼ばれ、多くの人たちにそう認識されています。ご自身を商品、ブランドと捉えたときにどうやってマーケティングしていますか。

落合陽一氏(以下、落合) 全くノンマネージメントです。お客さんが見えるように見せているだけです。お客さんに見てほしいという姿に調整しない。これがすごくポイントで、僕よりメディアの人の方が僕をどう見せたら世間から受けるか分かっているので、それ通りにノンマネージメントにしておくと勝手にキャラができあがるんですよ。

 それは自分の意図したものではなくてもよくて、そのメッセージを受け取る人が、もっと関心を持てば僕の本を読んで勉強しますから。その結果、ユーザー層はすごく分かれるんですよ。

 例えば、「YouTube」で動画だけを見ているだけの高校生は本質は何も分からない。僕がカレーを飲むことだけを知って、真似してカレーを飲みだすんです(TBSテレビの番組「情熱大陸」出演時に、レトルトカレーをストローで飲む姿が話題になった)。それはそれで面白いですよね。多様の誤解を生み出す、それが僕なりのマーケティングです。