損害保険ジャパン日本興亜は2017年10月、デジタル技術を活用して新たな事業開発を進める組織「ビジネスデザイン戦略部」を新設した。当初約10人でスタートしたが、半年後の今年4月に60人規模へ一気に増強。同社で前例がないペースの大幅増員だという。一体何を目指すのか、部長を務める中村愼一執行役員に聞いた。中村氏は前職のパナソニックで、1000万人規模の会員サイト「CLUB Panasonic」を立ち上げ、育成してきた経験を持つ。
中村愼一氏
損害保険ジャパン日本興亜執行役員 ビジネスデザイン戦略部長
1985年にパナソニックに入社。2001年にハイホー・シーアンドエーを設立し、02年に代表取締役社長に就任。その後、08年にパナソニックに戻り、会員サイト「CLUB Panasonic」の設立に参画し規模拡大に貢献。17年11月に損保ジャパン日本興亜に入社し、ビジネスデザイン戦略部長としてデジタルマーケティングを担当

ビジネスデザイン戦略部とは何をする部隊なのか。

 (SOMPOホールディングス、損保ジャパン日本興亜のデジタル系の部署が集まる本社の)「40階3兄弟」といわれている。3兄弟とはデジタル戦略部、ビジネスデザイン戦略部、ビジネスクリエーション部だ。デジタルを基軸に新しいビジネスにチャレンジをするのが根本にある。

 損害保険は非常に古い業態だが、今は環境変化が激しい。将来は自動運転化が進む。また、米グーグル、米アマゾン・ドット・コム、米フェイスブック、楽天などが異業種に参入し、“ディスラプター(破壊者)”と呼ばれる。彼らが損保業界をディスラプトする時代が来るかもしれない。であればその前に、自分たちがディスラプターになって、破壊的創造をして、新しいビジネスチャンスを作ろうと考えている。

 ビジネスデザイン戦略部は、マーケット起点で新しいビジネスを生み出す。先日、LINEとの業務提携を発表したように、新しいプラットフォームを使った保険や、保険以外の新ビジネスを作っていく。できれば(保険より先に顧客接点が生まれる)上流のサービスを押さえることで、保険も押さえられればいいと思う。

 2020年度までの中期計画では保険と介護を事業の柱にしているが、それに次ぐ柱を作ってほしいというのがトップの思いだ。

 マーケット起点でビジネスを作るビジネスデザイン戦略部に対して、ビジネスクリエーション部は医療、農業など先端技術で大学などと連携してシーズを探求し最終的にビジネスを作っていく。デジタル戦略部は、それらを支えるデジタル技術を担う。シリコンバレーやイスラエルなどのラボで、スタートアップの技術を吸収しながら、現業の効率化や、新しいビジネスづくりに役立てる。

 いずれも「保険の先に」ある新しいビジネスを生み出していくのがミッションだ。

昨年10月に11人、今年4月に61人体制

どんな組織体制で臨んでいるのか?

 組織は2017年10月に生まれた。最初は社内のいろいろな部署から約11人が集まった。今年4月には、外からの採用も含めて61人体制となった。会社始まって以来のペースの大幅増員だ。