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第一部「深セン最新トレンド」の6回目。中国に広く普及したスマホアプリ決済のおかげで、リアル店舗は“自動販売機化”し、さらに現金を使わずに済むさまざまな無人マシンが次々に登場している。近い将来に、世界一の“自販機大国”である日本を凌駕する可能性もないではない。深センの街中の実情から、無人マシンの未来を探ってみた。

 アリババ集団傘下のアント・フィナンシャルサービスグループの「アリペイ」と騰訊控股(テンセント)の「ウィーチャットペイ」──。この2大スマホ決済アプリは、もはや中国の社会インフラになっている。現在の日本で進められているキャッシュレス決済と根本的に違うのは、POS(販売時点情報管理)レジなど決済用の端末を必要としないことだ。店舗はユーザーにQRコードを掲示するだけ。ユーザー側のスマホでQRコードをスキャンし、ユーザー自身がアプリ上で金額を入力すれば、支払いが完了する。このため、道端の屋台ですらスマホ決済に対応しているほどだ。

前時代的な屋台ですらスマホ決済が使える。右にあるQRコードをスキャンすればいい

 スマホ決済の普及で、日本で生活する身からすると理解し難い状況も起きている。

 深センで初めて入ったレストランでのこと。店員を呼び止め「メニューを下さい」と話しかけると、無言で机を指さされた。その先にあったのは、QRコードだ。これをスマホで読み込むと、スマホの画面にメニューが現われた。注文したいメニューを選ぶと、会計画面へ遷移。そしてスマホ決済で支払いが済んでしまう。一言も発さずに注文から会計までが終了。まるで自動販売機のようだ。

テーブルのQRコードをスキャンする
画面に示されたメニューから料理を選ぶ。すると、それぞれの料理につき単価(¥で示されている)と何人前(份で示されている)の注文かが表示され、合計の品数と価格が最下部の黒地部分に示される。QRコードはテーブルごとに異なる(画面上に「19号卓」と表示)