←第3回 モール選定の基準は?/少額でもできるオムニチャネル

前号では、「楽天市場」や「Amazon.co.jp」、「ZOZOTOWN」など有力ショッピングモールへの出店をテーマに回答した。今号では、矢継ぎ早にサービスを拡充して存在感を増す一方のAmazonに、小売業者が対抗する策について考える。

Q1:Amazonが勢力を増す一方だが、負けないための戦略、戦術はある?

 EC(電子商取引)専業の事業者からこうした危機感を持った声が聞かれる。一方、苦言になるが、実店舗が中心の国内小売業は米Amazonの動向にやや無頓着ではないか。Amazonは世界最大級のECモールだけでなく、ITインフラAWSを提供し、今後の生活を変えていくスピーカー型音声アシスタントデバイス「Amazon Echo」や、精算のためにレジに並ぶ必要がない新タイプの実店舗「Amazon Go」を提示し、米高級スーパーのホールフーズ・マーケットの買収でいよいよ実店舗を活用していく。もはやAmazonはECプレイヤーの枠に収まらない存在だ。この動向を見過ごしていたら、知らぬ間に自社の領域が侵食されていきかねない。

図1 アイケアカンパニーとしてのオムニチャネル

 では、Amazonに負けない戦略、戦術はあるか? 結論として、実店舗などリアルな顧客接点を持つ企業は、自社の得意領域で負けない戦いはできると考えている。専門性が高いほど顧客体験を高めることができる分、有利だ(図1)。一方、EC専業は同じ土俵の戦いになりやすい。EC専業にこだわり続けるかも含め、戦える土俵を選択する必要がある。

 現状の「AmazonのECとしての弱点」を挙げてみたい。