←第1回 功徳とご利益で、協力の裾野が広がる

「お客様第一」で過剰なサービスを提供することが顧客満足度を高める唯一の手段なのか。野村総合研究所の鈴木良介氏が、ビッグデータを活用した顧客との新たな関係構築によるデジタル戦略を解説する。

 本連載の第1回では、顧客に協力を求めることで課題解決を効率的に進める「主客一体経営」の概要と、その背景には調整コストを下げる技術の登場があることを示した。第2回となる本稿では、調整技術とともに重要な背景である「資源の仮想化」と「マッチングの高度化」の進展を振り返る。その上で、主客一体経営がもたらす効用の一例として、「高度な需給調整」を示す。本稿のポイントはこの10年間行われてきた「インタレスト(関心)を金に変える」ことに加えて、「無関心を金に変える」可能性が出てきたことにある。

「2つの1兆円」と「資源の仮想化」

 ここ10年で日本には2つの1兆円市場が生まれた。1つはクラウド市場、もう1つはネット広告市場だ。この2つの市場の誕生には共通の背景がある。それは「資源の仮想化」である。

資源の仮想化と4つの効用