←第1回 医療画像の深層学習で世界の舞台に立った、東大発スタートアップ

 昨年10月、AIによる医療系製品開発会社NAM(東京都中央区)が設立された。代表取締役社長は、慶応義塾大学医学部を卒業したばかりの25歳、中野哲平氏。

 1992年生まれの中野社長は、幼少時を米国シリコンバレーで過ごし、帰国後、慶応高校、慶応大学医学部で学んだという異色の経営者だ。

 慶大医学部在学中から機械学習とその医療の応用に取り組み、2012年夏には米国立衛生研究所でインターンシップとして研究に携わった。2013年8月から14年7月までの1年間は、深層学習技術のビジネス活用に注力するPreferred Networks(PFN、東京都千代田区)の前身のPreferred Infrastructureでインターンシップとアルバイトで働いた。

 機械学習に関するトップカンファレンスであるNIPSでも論文が採択されており、2015年には学生賞を受賞した。2016年には、情報処理推進機構(IPA)の未踏事業にクリエーターとして採択され、医療ITについて事業委託を受けている。

 医療だけでなく、ITにも精通している中野社長は、(1)医師が患者の治療結果を全くフォローできていない、(2)電子カルテの普及率が50%に満たない、(3)国内の新薬/新検査の承認が4年も遅れている、といった医療業界の課題にメスを入れる。

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 これらの課題の解き方も独特だ。今年1月以降に医療機関を対象にLINEのチャットボット(自動応答プログラム)型電子カルテ「ドクターQ」の無償提供を開始する。