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(※NIKKEI DESIGN 2017年8月号の記事を再構成)

Q サツドラに学ぶ、クライアントがデザイナーに求めることは?

【A】
クライアント企業の経営トップの「何が何でもリブランディングをやり遂げる」という強い意志に応えるため、単なるデザインの領域を超えてサポートできるだけの資質がデザイナーにも求められる。例えば、社内にもワークショップなどを通じて今後の目指す姿を理解できるよう、デザイナーが支援すべきである。

 北海道を中心に約180店舗を展開するドラッグストアチェーンのサッポロドラッグストアー(札幌市)は2016年2月、ストアブランドの「サツドラ」への変更をはじめ、会社全体をリブランディングすると表明。同年8月には株式を移転し、持株会社のサツドラホールディングスを設立した。仕掛けたのは創業者、富山睦浩・代表取締役会長の長男で、2015年5月に2代目に就任した富山浩樹・代表取締役社長だ。リブランディングを決意したのは、社長就任2年前の2013年。その理由を「同業他社との差異化ができておらず、このままではいずれ淘汰されるとの危機感を持っていたから」と語る。将来、社長に就いたらリブランディングしようと決意し、情報収集や米国視察など勉強を重ね、リブランディングのパートナーを探して広告代理店やデザイナーを訪ねるなどしていた。

赤地に黄と青、白が入るサッポロドラッグストアー時代の看板。北海道内1位は赤地に黄と白、3位は赤地に黄と青、白、黒と似た色使いをしているため、店内ディスプレイも似ていて区別がつきにくかった
サツドラの新しいロゴ。色使いはCIカラーの青と、北海道の大地をイメージした若草色。「+」は薬を示す。赤地と決別したことで「青といえばサツドラ」となり道内1位と3位のドラッグストアとの差異化に成功した。“北海道の「いつも」を楽しく”というキャッチコピーも掲げ、ドラッグストアからライフスタイルストアに変わろうとしている。なお、グループのドラッグストア部門の正式な社名はサッポロドラッグストアーのままである